この記事では、小泉進次郎さんのアメリカ名門大学院進学が一部で“学歴ロンダリング”といわれる理由を検証しています。
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大学院
小泉進次郎さんは大学卒業後アメリカに留学し、2006年5月にコロンビア大学大学院政治学部で修士号を取得しています(在籍期間:???~2006年5月)。
コロンビア大学は世界大学ランキングで東大以上の評価(2024年は17位、同年の東大は29位)を受ける世界的名門大学。
こちらも小泉進次郎さんの公式HPのプロフィールに掲載されています。
大学院時代に関する本人コメント
小泉進次郎さんは2019年のNIKKEI STYLEの記事内で留学時代を以下のように振り返っています。勉強漬けのハードな日々を送っていたようです。
いつか米国に留学したいと思っていたので英語の勉強は英会話学校にも通って頑張っていました。アメリカは日本にとって、これ以上ない同盟国でしょ。その国に身を置いて、どんな国なのかを自分で感じる体験が必要だと思いアメリカ留学を決めました。
…(中略)…
このときのためにそれまで勉強しなかったんじゃないかというぐらい、猛勉強の日々。朝起きたら朝食の前にまず勉強。そして自炊中も勉強できるように、作っていたのはカレーライスやチキンスープばかり。本を読むのではなくて、本を食べるぐらいの勢いで勉強していました。
授業でも必死です。日本の授業とは違って、座って聞いているだけで発言しないというのは評価されない。正しいかどうかよりも、手を挙げて自分の意見を伝えるところに価値がある。議論に加われないと、おまえは意見もないのかと思われる。
ニューヨークってどんなイメージですか?ブロードウエイ、5番街……。ティファニーで朝食を? そんなの食べたことないよと(笑)。私にとっては華やかな街というより、思い出すと胸が苦しくなる街です。それだけ苦しい、自分の限界との闘いだった。
※日本経済新聞HP掲載NIKKEI STYLE2019年3月2日配信記事「心をつかむ進次郎節、原点は留学時代の猛勉強 衆議院議員・自民党厚生労働部会長 小泉進次郎氏」より引用
学歴ロンダリング説が出る理由
上記のように、小泉進次郎さんは関東学院大学を卒業後コロンビア大学大学院に進学し修士号を取得していますが、一部ではこれが“学歴ロンダリング”と揶揄されているよう。
学歴ロンダリングとは、自身の出身大学よりもレベルが高い大学院に進学することで最終学歴を高くすることを指すネットスラングです。
もちろん法に触れるようなことは全くありませんし、学びたいことをよりレベルの高い環境で学びたいと考えるのは当然のことですが、大学院の入試は有名校であっても大学受験よりも難易度が低いケースが少なくないため、ネガティブなイメージを持たれることがあるようです。
小泉進次郎さんの場合、関東学院大学の偏差値は50以下、コロンビア大学は日本のトップ大学である東大以上の評価を受けているのは先述の通りですから、最終学歴が高くなったと評価出来ることに異論はないでしょう。
ただし、出身大学よりもレベルが高い大学院に進学すること全てが“学歴ロンダリング”と揶揄されるわけではありません。
例えば、小泉進次郎さんと同じく2024年の自民党総裁選挙に出馬した小林鷹之さんは東京大学を卒業後、ハーバード大学大学院で修士号を取得しています。
2024年度版世界大学ランキングでは、東京大学が29位でハーバード大学は3位ですから、最終学歴は高くなったと言えそうですが、これを学歴ロンダリングという人はまずいないのではないかと思います。
これは、小林鷹之さんの経歴からハーバードにふさわしい学力がうかがえるからでしょう。
小林鷹之さんは開成中高から東京大学に進学した文句なしの高学歴(ただし紆余曲折はあったよう、詳細はこちら)、大蔵省(現財務省)在籍中にハーバード大学に留学していることから、省内でも優秀な人材と評価されていたことがうかがえます。
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他方で小泉進次郎さんは、小学校から大学まで関東学院での内部進学。
先述のNIKKEI STYLEの記事内でも、政治家を志すきっかけとなった2001年(当時大学2年生)の自民党総裁選挙(父小泉純一郎が勝利)まではあまり勉強していなかったことがうかがえるコメントも残しています。
関東学院大学時代の忘れられない原体験と言えば、2年生の頃にあった自民党総裁選挙です。…(中略)…
ちょうどその頃、父から「将来どうしたいんだ?」と聞かれ、私は「できることなら跡を継ぎたい」と言いました。それに対して父は「そうか。じゃあ勉強しないとな」とだけ。父がワンフレーズしか話さないのは、その時も同じでしたね(笑)。
…(中略)…
勉強はというと、正直、20歳の小泉進次郎は、いかに効率良く単位が取れるかと考えていました。友達のノートに助けられましたね。
※日本経済新聞HP掲載NIKKEI STYLE2019年3月2日配信記事「心をつかむ進次郎節、原点は留学時代の猛勉強 衆議院議員・自民党厚生労働部会長 小泉進次郎氏」より引用
また、本人がコロンビア大学大学院時代に相当勉強していた旨話しているのは先述の通りですが、入学過程についてはデイリー新潮が2021年8月20日に「小泉進次郎、名門「コロンビア大学院」留学は「特別なプロセス」 関係者が証言」という記事を配信しています。
その概要は、小泉進次郎さんがコロンビア大学大学院に進学できたのは、自身が総理大臣小泉純一郎さんの息子であること、進次郎さんが師事したジェラルド・カーティス教授が日本政治研究の第一人者であり小泉純一郎さんを含む日本の政治家と親交があること、なども要因なのではないか、というもの。
記事には、小泉進次郎さんの大学時代の成績は平均的で語学力もコロンビア大学の基準に達していなかった、合格は語学力向上の条件付き合格であり1年語学を磨いた後2005年9月に修士課程をスタートした、コロンビア大学のようなトップ大学で語学力向上を1年待ってもらえるのは例外中の例外、といったことも書かれています。
記事の内容がどこまで事実かはわかりませんが(ただし、実名や人物を特定できそうな形でコメントしている人物も複数おり相応の取材はしていると思われる)、この記事を読んだ人は学歴ロンダリングのような印象を受ける人もいるでしょう。
ちなみに、小泉進次郎さんの学歴について好意的な記事としては、プレジデントオンライン2024年8月22日配信記事「本当は「コロンビア大院卒の超高学歴」なのに…小泉進次郎氏が「これだから低学歴は」とバカにされる根本原因 なぜ日本は「学歴ロンダリング」に厳しいのか」等がみられます。
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